Lステップの導入は『IT導入補助金』が利用可能|条件や注意点とは!?

Lステップの導入に補助金は利用できるのかな?

補助金を使ってLステップの費用を抑えたい…。
結論、Lステップを利用すると「IT導入補助金」をはじめとする補助金を受けられる可能性が高いです。月額費用だけでなく、構築や設定を代行サービスへ依頼した外注費も対象となり得るので、活用しない手はありません。
せっかく利用できる補助金があるにも関わらず、知らずに全額自社で負担したり、予算が少ないからと代行サービスを利用せずに運用したりすると、機会損失する可能性もあるでしょう。
そこで今回は、Lステップの導入に利用できる補助金について解説していきます!
この記事で分かること
- Lステップの導入・構築にかかる費用
- Lステップの導入に利用できる補助金
- 補助金を利用する際の注意点
【前提知識】Lステップにかかる費用
まずは、そもそもLステップを活用するためにはどのくらいコストがかかるのか、導入と運用にかかる費用を確認していきましょう。
Lステップの導入と運用にかかる費用
1. Lステップの月額費用
2. LINE公式アカウントの月額費用
3. Lステップの構築・設定・運用代行に依頼する費用
1.Lステップの月額費用
まず、Lステップの利用には月額費用がかかります。料金プランは、以下の3つ。
スタートプラン | スタンダードプラン | プロプラン | |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
初月料金 | 0円 | 0円 | 0円 |
月契約(税込) | 2,980円 | 21,780円 | 32,780円 |
月間配信数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
機能 | 基本機能のみ | 基本機能+α | 基本機能+α(スタンダードプランよりも多い) |
どのプランが適しているかはアカウントの規模や実現したいことにより異なりますが、スタートプランはURLのクリック率を計測したり、ユーザーが友だち登録した経路を追跡したりといった分析機能が備わっていません。
本格的にLステップを運用したい企業様であれば、基本的にスタンダードプラン(月額21,780円)以降の契約が必要になってくるでしょう。
2.LINE公式アカウントの月額費用
またLステップを利用するためには、大前提としてLINE公式アカウントを開設しなければなりません。
LINE公式アカウントには、3つのプランが用意されています。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費(税別) | 0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
追加メッセージ料金(税別) | 不可 | 5円 | ~3円 |
各プランの違いは、1ヵ月に配信可能なメッセージ数です。プランはいつでも変更できるので、ひとまずフリープランへ加入し、配信数が増えてきたらアップグレードすると良いでしょう。
3.Lステップの構築・設定・運用にかかる費用
また、Lステップを導入すると構築や設定・運用のための人件費、もしくは代行サービス依頼費もかかることがあります。
特に代行業者への依頼については、「Lステップで確実に成果を出したい」「自社にLステップの知識がない」といった理由で検討している方も多いのではないでしょうか。代行サービスの利用にかかる費用はピンキリですが、目安は以下の通りです。
サービスの種類 | 目安の金額 |
構築代行 | 50~250万円 |
運用代行 | 数万~20万円 |
設定代行 | 数万~数十万円 |
どこへ依頼するのか・どこまで依頼するのかなどによって料金に幅がありますが、比較的大きなコストがかかる傾向にあります。よってLステップ導入費の中で最も補助金を利用したい部分だと言えるでしょう。
Lステップ導入に利用できる可能性が高い補助金は2種類
過去の事例から、Lステップの導入に利用できる可能性の高い補助金は「IT導入補助金」と「事業再構築補助金」の2つ。ここからは、それぞれどのようなケースにいくら補助金を受けられるのかについて解説していきます。
1.IT導入補助金
まず「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入するときに利用できる補助金です。

出典:IT導入補助金
補助率 | 上限金額 |
補助対象経費の1/2以内※通常枠(A類・B類)の場合 | A類型:150万円B類型:450万円 |
Lステップの費用をはじめ、勤怠管理ソフトや会計ソフトの導入費、パソコンの購入費など幅広い経費が対象であり、最高で費用の50%(※通常枠の場合)を補助してもらえます。
IT導入補助金にはさまざまな枠がありますが、Lステップの導入で利用できる可能性があるのは「通常枠・A類型」。2023年度より補助額の下限が30万円から5万円へ下がったので、Lステップの導入に大きく費用がかからない場合でも利用しやすい補助金です。
IT導入補助金通常枠・A類型の概要▼
項目 | 概要 |
補助額 | 5万円~150万円未満 |
補助率 | 1/2以内 |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費 |
対象者 | 中小企業・個人事業主※規定あり |
例えば各種月額利用料と構築代行依頼費用でLステップの導入に200万円かかり、補助率1/2で採択されたとすると、最大100万円の補助を受けられると考えられます。半額を補助してもらえるとなれば、予算が少ない場合でもできることの幅が大きく広がるでしょう。
ただしLステップの導入でIT導入補助金を利用する場合、申請には「IT導入支援事業者」という補助金の交付申請などの各種手続きをサポートする事業者との連携が必要です。IT導入支援事業の支援を受けつつ無事に申請をして審査を経て採択されると、費用が確定してから約1ヵ月後に補助金が入金されます。
受付期間は限られているもののLステップの導入において最も活用しやすい補助金なので、ぜひ検討してみてください!
2.事業再構築補助金
そして「事業再構築補助金」は、新分野進出展開や業態転換などの事業再構築を行う企業を支援するための補助金です。

出典:中小企業庁
補助率(通常枠の場合) | 上限金額(通常枠の場合) |
中小企業者等 2/3中堅企業等 1/2 | 【従業員数20人以下】100万円~2,000万円【従業員数21~50人】100万円~4,000万円【従業員数51~100人】100万円~6,000万円【従業員数101人以上】100万円~8,000万円 |
簡単に言うと、基本的には売上が下がった企業の立て直しに必要な費用を補助してもらえる制度です。事業を立て直すための施策の一環としてLステップも導入したのであれば、その費用も対象になると考えられるでしょう。
なお事業再構築補助金には2023年3月時点で6つの枠が用意されており、それぞれ対象要件や補助率(1/2~3/4)が異なります。状況によって利用できる制度が異なるので、まずは自社がどこに当てはまるのか事前に確認しておきましょう。
枠 | 概要 | 補助率 | 補助上限額※従業員規模により異なる |
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 新型コロナの影響に加え、物価高騰等により業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者の事業再構築を支援 | 中小企業者等 2/3中堅企業等 1/2 | 1,000万円~3,000万円 |
成長枠 | 事業再構築に取り組む事業者に対する支援 | 中小企業者等 1/2中堅企業等 1/3 | 2,000万円~7,000万円 |
グリーン成長枠 | 研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略の課題解決に取り組む事業者に対する支援 | 中小企業者等 1/2中堅企業等 1/3 | 4,000万円〜1.5億円 |
産業構造転換枠 | 構造的な課題に直面している事業者が取り組む事業再構築に対する支援 | 中小企業者等 2/3中堅企業等 1/3 | 2,000万円〜7,000万円 |
最低賃金枠 | 最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者に対する支援 | 中小企業者等 3/4中堅企業等 2/3 | 500万円~1,500万円 |
サプライチェーン強靭化枠 | 海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う事業者に対する支援 | 中小企業者等 1/3中堅企業等 1/3 | 5億円 |
なお、事業再構築補助金を申請するには「認定経営革新等支援機関」と相談をしながら事業計画を練らなくてはならず、運営元と細かなやり取りも必要です。

出典:事業再構築補助金
やや手間はかかりますが、業績が落ちていてLステップの導入も考えている企業様はぜひ利用を検討してみてください!
Lステップで補助金を利用する際の注意点
Lステップ導入にかかる費用を抑えるならぜひ利用したい補助金ですが、実は注意すべき点もあります。
Lステップで補助金を利用する際の注意点
1. 必ず採択されるとは限らない
2. 補助金が交付されるまで時間がかかる
順番に解説していくので、利用前に理解を深めておきましょう!
1.必ず採択されるとは限らない
大前提として、補助金は申請しても必ず採択されるとは限りません。
補助金には基本的に審査が設けられており、申請した内容が認められなければ採択されない可能性があります。予算や定員が決まっているケースも多く、申請したからといって必ず補助してもらえるわけではありません。
なお、補助金には「採択率」という「申請数に対する採用率を示す指標」があります。参考までに、2022年度のIT導入補助金・通常枠の採択率(1次~6次)は55.9%、全体の平均採択率は66.4%で昨年対比10.9%の増加でした。
より確実に補助を受けたいのであれば、事前に採択率を確認し、数値の高い補助金に申請するのも良いでしょう。
2.補助金が交付されるまで時間がかかる
さらに無事申請が通り採択されたとしても、補助金がすぐに受け取れるわけではありません。
補助金を受け取るまでには、数週間から数ヵ月かかるケースが大半です。
補助金 | 受取までにかかる時間 |
IT導入補助金 | 補助金額が確定してから1ヵ月後 |
事業再構築補助金 | 精算払請求の承認から2週間から2ヶ月程度 |
例えばIT導入補助金の場合、採択されたら実際に対象の施策を行い、実績や効果を報告してやっと補助金を受け取れます。各制度に設けられている条件をクリアしたあとで補助金が支払われるので、申請日から考えると支給にはかなり時間がかかることも珍しくありません。
すぐに受け取れるわけではないことを考慮し、補助金の申請手続きは早めに済ませておきましょう。