LINE構築代行における『リリース後の動き』

今回はLINE構築代行における『リリース後の動き』について解説します。
 
これまで案件初動の対応からLINEをリリースするまでの流れをみっちり学んできたみなさんは「よし!これでもう現場に出ても大丈夫だ!」と思っているかもしれません。でも、ちょっと待ってください。
 
LINE構築代行者の仕事は、無事に期日通りLINEをリリースしたらそれで終わりではありません。
 
本講義で解説する「リリース後におけるアカウントの分析・初期運用とクライアントとのやりとり」を一通りこなしてこそ、“プロジェクトが100%完了した”と言えるのです。
 
具体的にリリース後にはどんな仕事を行えばいいのか、意識すべきポイントは何かを解説していくので最後までしっかり学んでいきましょう。
 

1.LINEの分析・初期運用を行う

 
無事LINEのリリースが完了したら、構築したアカウントの分析と初期運用をセットで行いましょう。
 
 
「なんでそこまでやらなきゃいけないの?」と思われたかもしれませんが、LINEリリース後1.5ヶ月(4〜6週間)は、初期運用と分析の期間としてLINE構築代行者の仕事に含まれていることが多いからです。
💡
POINT
初期運用・分析の期間は案件の予算や要望によっても変わります。クライアントとの契約時にしっかり確認しておきましょう。
これから現場で行っていることを具体的に解説するので、実際に自分が分析・初期運用するイメージを持ちながら読み進めてみてください。
 

数字まわりのデータを細かく分析する

 
まずは「LINEをリリースした後にどれほど成果が出せているか」を確認すべく、数字まわりの分析をしていきます。
 
なぜ分析を行うかについてですが、LINEが完成すればそれで仕事が終わりではないから。リリース後に「商品の成約率が上がった」「サービスの申し込み数が増えた」など、数字として成果が出るLINEに仕上げてから最終納品することがLINE構築代行者の役目です。
 
案件の種類にもよりますが、チェックすべき項目は以下の通り。
 
📎
分析項目の例
  • LINE登録後のブロック率
  • アンケートの回答結果一覧
  • 流入経路別LINE登録者の人数
  • シナリオのタップ率
  • LINEマガジンの読了率
  • リッチメニューのタップ率
  • 個別相談の申し込み率
  • その他、広告におけるCPA(※)の数値 など...
  • LINE登録後のブロック率
※CV(コンバーション)1件あたりにかかった広告費用
 
例えば、以下の画像は実際の現場で「流入経路別のLINE登録者」を分析したものです。
 
この事例では、イベント開催日ごと中心に流入者数をはじき出していますが、良くあるのはSNSやホームページ、チラシなどに分けて流入者数を分析するパターン。それによってどこからの登録者が多いか知れることはもちろん、“費用対効果”の高い媒体に広告予算を多く投入することもできます。
 
つまり、分析がさらに売上を拡大するためのヒントになるのです。
 
上記に挙げた項目を参考にしつつあらゆる角度からデータを分析し、より成果の上がるLINEへとブラッシュアップしてみてください。
 

分析結果に基づいて改善を行う

 
というわけで、分析した結果(数字)に基づいて次は「改善」を行いましょう
 
ただ...ここで注意点が一つあります。それは、リリース直後に「分析→改善」をしても効果が得にくいということ。なぜなら、あまりにもLINEの登録ユーザーが少ない状況で分析を始めてもデータの確実性が低いから。
 
なるべく母数が多い状態で分析を始めた方がより良い改善に繋がります。目安としてはLINEのリリース後、約100リストに到達したタイミングで各項目の「分析→改善」を行いましょう
 
 
では、具体的にどのように「分析→改善」を行えば良いのでしょうか。ここでは、あなたが「男性向けパーソナルジムのLINEを構築した」と仮定して解説を進めます。
 
例えば登録後のアンケートを分析した結果、予想以上に女性のユーザーが多かったとしましょう。その場合は、もしかしたら「シナリオが女性向けの訴求になってしまっているかもしれない...」という仮説が立ちます。
 
よって「シナリオの内容を見直して男性向けの訴求にする」という改善が必要になるのです。
 
他にも数字を分析した結果タップ回数やマガジンの読了率が悪い場合などに、配信のパターンや順番を変えてみるといった改善方法があります
 
何度も繰り返しますが、LINEは作ったらそれで終わりではありません
 
ABテスト(※)を行なったりシナリオの変更を行なったりと、仮説と検証を繰り返しながらより成果の出るアカウントへと近づけましょう。
 
※ABテストとは2つのものを比較するテストで、マーケティング手法の一つ。LINE構築で言えば「シナリオA」と「シナリオB」をどちらも一定期間流して成果の出ているものを採用するなど。
 

2.LINEの運用状況をクライアントに共有する

 
そして「リリース後の対応」はLINE構築代行者が勝手に行えば良いわけではありません。クライアントに随時状況を共有しながら進めていきます。
 
 
理由は言うまでもないですが、構築を依頼したLINEが機能しているかどうかクライアントは気になっているから。「シナリオは予定通り配信されているか」「リッチメニューは立ち上がっているか」など、自分たちで作ったステップが正常に機能しているかどうかを共有しましょう
 
以降では、リリース後におけるクライアントとのやりとりをもう少し深ぼって説明していきます。
 

分析結果と改善案はレポートにしてクライアントに見せよう

 
まずは「LINEの分析結果とそれに基づく改善案」をレポートにし、ミーティングでクライアントに共有しましょう。ミーティングの予定は、相手の都合や分析のスケジュールを踏まえて事前に設定しておいてください。
 
❶分析結果
 
❷改善案
▲実際に美容院のLINEを構築した際に使用したレポートの一部
 
このように分析結果を“見える化”することで、クライアントはどこに改善点があるか一目で分かり、それによって私たちLINE構築代行者側も改善案を提示しやすくなります
 
分析結果を細かく報告するとともに「こういった改善を行います」「この部分を改善して納品させていただきます」といった感じで、最終完成までにやるべきことをクライアントに提示しましょう。
 
ちなみに、案件の依頼内容によってはその後のアカウント運用まで任されることもあります。その場合は、分析結果と改善案の他に今後の運用方針を提示できると良いでしょう
 

クライアントからLINEリリース後の状況をヒアリングしよう

 
また、リリース後の状況をクライアントにヒアリングすることも重要です。
 
状況というのは、LINEを通じて商品を購入したりサービスを利用したりする人の属性が、以前から使用する集客媒体と比べて変わったかどうか
 
具体的に言うと「商品の成約単価は上がっているのか」や「サービスに申し込む人の熱量は高いか」など。なぜそんなことを聞き出すのかというと、数字面以外の成果が見えてくるからです。
 
 
 
そもそもクライアントには、あなたにLINEの構築を依頼した背景があります。例えばコンサルを商品として持つクライアントなら「もう少しモチベーションの高い人だけに個別相談に来てほしい...」という想いがあるかもしれません。
 
そこで実際にLINEで“教育”をかけた結果、熱量のある人ばかりが個別相談に来るようになっていれば成功。反対に、以前と状況が変わっていないようであれば、教育のシナリオが失敗している可能性があり改善の余地があります。
 
つまり、具体的な数字だけでなく「LINEに登録してくれている人」の属性を分析することも、成果が出ているかどうかを見極める重要な指標になるのです。
 

まとめ:最後までクライアントの“良きパートナー”であろう

 
以上「LINEをリリースした後の動き」について解説しましたが、ここまでの一連の流れをこなしてLINE構築代行者としての任務が完了です。
📎
リリース後の動き
1. LINEの分析・初期運用を行う 2. 運用状況をクライアントに共有する
 
そしてこれは余裕があればですが、さらに売上を伸ばす施策を検討してみるのも良いかもしれません
 
例えば、初期運用・分析期間に相当する残りの数週間でキャンペーンの開催を提案したり、もともとアカウントを保有しているクライアントなら既存の顧客向けのシナリオを配信したりもできます。
 
最後までクライアントの良きパートナーとして、成果を出すために手伝えることがないか考えてみましょう